腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

現在当院では、保険での腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は行えないため、紹介となります。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術では約2年で平均20-30%の体重減少が得られます。ただそれぞれの食生活や運動が大きく関わります。決められた食生活を守り、継続的に運動をした方は50%以上の体重減少も得ることができます。
スリーブ状胃切除術では減量効果に加えて、生活習慣病を治癒する効果もあります。
治癒とは、内服薬がない状態で病気などが完全に治ること意味します。

減量手術後の合併疾患
治癒(寛解)率

減量手術後の合併疾患治癒(寛解)率

Pories, et al. Ann Surg 1995, Sugerman, et al. Ann Surg 2003,
Schauer, et al. Ann Surg 2003, Rasheid, et al. Obes Surg 2003,
George SM, et al. World J Surg 1998, Buchwald, et al JAMA 2004.

治療の流れ

最初の外来で今後の治療方針をゆっくり相談します。
すぐ治療を希望する方は、検査に進みます。

検査項目

  • 採血(血算、生化、凝固)
  • 体脂肪率検査
  • 腹部‐骨盤単純CT(体脂肪量測定)
  • 心電図
  • 呼吸機能検査
  • 心エコー
  • 腹部エコー
  • 睡眠時無呼吸症候群の検査(希望者のみ)
  • 胃カメラ(希望者のみ)

上記の検査結果を説明後、相談させて頂きます。

術前

  • 超低カロリーダイエットを実践し、食事内容の知識を習得します。

  • 体重の5%減量を目指します。

術後

手術当日、しっかりと覚醒してからすぐに歩いてもらいます。これは術後非常に大切です。高度肥満の方は下肢の静脈に血栓ができやすい状態です。もし血栓ができ、肺に血栓が飛んでしまうと肺塞栓症といい、致命的な合併症になってしまいます。そのため、術後すぐに歩行してもらいます。

スリーブ状胃切除について

胃の大部分を切り取り、バナナ1本くらいの大きさにする手術です。腹部に5-15mm程度の孔を5ヶ所開け、腹腔鏡を用いて手術を行います。胃の容量が小さくなるとともに、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が抑制されるため、少量の食事で満腹感を得られます。保険診療として行うことができる唯一の手術であり、わが国では約90%がこの術式です。

スリーブ状胃切除について

腹腔鏡手術の安全性について

腹腔鏡手術の安全性について

腹腔鏡手術の安全性について

腹腔鏡手術の死亡率は0.02%とされています。日本でもよく行われている腹腔鏡下胆嚢摘出術よりも低い数値です。どんな手術にも起こりうることですが、術後出血という合併症もあります。可能性は低いですが、もし起こってしまった場合、内視鏡や手術が必要になることもあります。

  • 死亡率が0.02%と低い
  • 開腹手術より10倍安全
  • 虫垂切除や胆嚢摘出術より合併症率・死亡率が低い

※出典:Diabetes Obes Metab.2015 Feb;17(2):198-201. How safe is metabolic/diabetes surgery?

合併症について

  • 手術の合併症ですが最も重篤なものが、縫合不全0.5%です。これは小さい胃にもかかわらず、術後に食べ過ぎてしまい穴が開いてしまうことです。術後、数か月してから起こることもあります。 一度破れてしまうと、治りが悪く、半年以上の絶食入院や再手術が必要となる可能性があります。
  • どんな手術にも起こりうることですが、術後出血という合併症もあります。可能性は低いですが、もし起こってしまった場合、内視鏡や手術が必要になることもあります。
  • 術後に胃食道逆流症を合併した場合、胃薬を飲み続ける必要があります。重症化した場合、再手術が必要となることがあります。
  • その他に起こりうる合併症として、感染、肺炎、肺梗塞、心筋梗塞等があります。

術後フォロー

術後1年間は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月に外来受診して頂きます。その後は体重減少などを考慮しながら、半年~1年毎の受診して頂きます。また術後、長期にわたる食事療法・運動療法の継続を行う必要があることを御理解頂く必要があります。

減量外科手術後の食事指導
について

  • はじめは、大さじ2~3杯で満足感を得ることができます。その状態を保持するために、腹八分目に食べましょう。
    時間をかけて、無理に胃を広げないことが大切です。
  • 創の治癒促進、筋力を低下させないために十分なたんぱく質を摂ってください。
  • 脱水にならないように十分な水分をとって下さい。体重を減らすためにも十分な水分が必要です。自分で脱水症状(尿の色が濃い、口臭がひどくなる)を認識するようにしてください。
  • ゆっくりと食事、水分を摂取してください。過食や通過障害を予防するためにもよく噛んでください。
    (20-30回)30分以上かけて食事を摂取してください。
  • 食事と飲水を一緒にするのを避けてください。胃の大きさが小さいので、すぐに気分が悪くなってしまったり、吐いてしまいます。少なくとも食後水分を摂取するまで30分はあけてください。
  • 飲水するときにストローを使わないでください。ストローを使うと空気を一緒に飲んでしまい、気分が悪くなってしまいます。さらに、十分な食事、水分が摂取できなくなってしまいます。
  • 炭酸飲料は飲まないでください。ガスによって気持ち悪くなります。
  • もし腹部の張りや胃部不快感がある場合は、すぐに食事、水分摂取をやめてください。
  • ビタミン、ミネラル欠乏予防のためにしっかりサプリメントを飲んでください。サプリメントをカフェインを含むコーヒーやお茶などで飲まないでください。
  • 高脂肪の食品は吸収されにくく、胸やけや胃部不快感や嘔吐を引き起こすことが多いです。

手術後に健康な体重維持の
ために推奨すること

  • 毎日脱水予防のため6-8回に分けて十分な水分を摂りましょう。

  • 筋肉量を維持するために十分なたんぱく質を摂りましょう。
  • 1日に5.6回に分けて食事するようにしましょう。1口を小さくしましょう。少なくとも20-30回よく噛み、約30分かけてゆっくり食べましょう。
  • 腹八分目で食事をやめましょう。
  • 砂糖を含む甘い飲料、間食はやめましょう。
  • 調理法も工夫しましょう。
  • ビタミン、ミネラル欠乏予防のためにしっかりサプリメントを飲んでください。サプリメントをカフェインを含むコーヒーやお茶などで飲まないでください。
  • 常にバランスのとれた食事を意識しましょう。1つの食品ではなくいろいろな食品を摂取したんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取しましょう。
  • アルコール摂取はやめましょう。アルコールには栄養はなく高カロリーです。減量の妨げになります。
  • たくさん運動をしましょう。運動によってカロリーが燃焼され、さらに筋肉量も上がり、リバウンドしにくい体質になります。少なくとも30分、3.4回/週運動するように心がけましょう。慣れてきたら徐々に運動の強度も上げましょう。

9 Golden Rules

  1. 1日3食(少量)
  2. 腹8分目で食事をやめる
  3. 間食をしない
  4. 良質の固形食を食べる
  5. よく噛んで、ゆっくり食べる
  6. 食事中に水分を飲まない
  7. 食間にたくさん水分をとる
  8. 甘い飲み物は飲まない
  9. 運動は1日最低30分行う

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